2023年06月04日

職場体験

主食は遺伝子組み換えの麦、コメ、トウモロコシでとり、タンパク質は人手をかけずにAIを駆使した工場で生産できるコオロギなんかでとって、不足する栄養は合成で作れるサプリメントを服用すれば、将来的には食事(栄養)のコストは安定的に大幅に圧縮できるかもしれない。
娯楽は仮想現実・メタバースで、身体的な快楽や介護も人相手に気を使うことなくVRと器具で用を済ませられるようになっていくかもしれない。
得体のしれない文化や人の感情・情動といったものを考慮しないとして、環境にやさしく平和な世の中をつくるとすれば、上記のような方向へ進んでいくのがよいということになるのかもしれない。そうなれば領土を確保しないといけない、働き手を確保しないといけない、子孫を残さないといけない、という必然もなくなっていき、人口も減ってますます平和でエコな世界ということになるかもしれない。

いや、人間てそんなもんじゃないだろう、とか言うと、「いまさらニーチェかよ」とかなりそう。

実際、10代、20代の人たちの中には、そういう世の中を受容しているというか、それでいいんじゃないかという無意識の傾向のようなものを感じる。そういう人たちに、仕事に励め、もっと頑張れ、と上の世代の人たちが言っても、そもそもその必要性がなくなってきていると無意識で感得しているんじゃないかと思ってしまう。

そんなことを考えているところへ、中学生の職場体験があった。今年は1名。
農業に興味があって来そう。
激暑のハウス内作業やずっとしゃがんでねぎを植える作業など、私でもちょっとしんどい作業をやってもらうことになり、ちょうど大変な作業の時に来てもらって申し訳ないような気になっていたが、いやなそぶりも見せずしっかり作業している学生の姿にこちらも救われる思いだった。

それでもこんな作業を経験したら、もう農業はいいや、となってしまうんでないかと思っていたが、その後の感想などを聞きおよぶにつけ、そうでもないようであった。

一概に、今どきの若い人たちは、とひとくくりにはできない。大きな傾向のようなものはあるかもしれないが、傾向だけを見ていても見誤ることもある。大きな傾向だけをみて嘆いていても仕方なし、自分は自分なりにやっていくことで下の世代になにか伝わるものがあればいい

posted by 五人坊主 at 21:26| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2023年04月25日

ベートーヴェンまいり

用があり携帯電話のショップへ
30代くらいの店員が、年配(おそらく70台後半以上)の老夫婦にスマホの契約について説明をしている
ポイントがどうこう、オプションの音楽サービスがどうこう
店員との会話を聞いている限り、老夫婦はよくわかっていないし、
歳だからというわけではないが、明らかにこのサービスを必要とはしていない
しかし、延々と、ユーチューブより得だとか、お気に入りのアーティストがいればどうだとか、
説明についていけずにとつとつと答えるのがやっとの両名にたいしてまくしたてるように続ける
はたから聞いていて、この店員は正気か?と思ってしまう
自分のことではないが、いやな気分になった
(上司が制止しないのか、と思っていたら、一方で若いスタッフに指導的なことをしていたので、どうやら上の立場のひとのようだった)

こういう明確なケースでなくてもこいういったおかしさ、不愉快さは日常あふれている
いま自分でお店(喫茶、物販)をやりはじめている
まだまだ試運転であるが、
今回のような場面に出会うと、
このご時世に、自分で店をやることの意義もいくらかはあるな、と思う。

経営的に成り立たせられるかどうかは別問題として
また、すべての人にとって居心地のよい場所になるとは思わないとして
ごく少数であるかもしれないが「こういう場所があってよかった」と思ってもらえるような
そんな店・場所にできたらと思う


「ベートーヴェンまいり」はワーグナーの友人がベートーヴェンを訪ねてウィーンまで行き、実際にベートーヴェンにあった際のエピソードを記したもの。
ベートーヴェンの人となり、思想が見事に凝縮されているように感じた。
時代が違っても、やっていることが違っても、技量の規模が全然違うとしても、
表出の根っこにあるものは同じなんだと
また、根源的であればあるほど孤立する、かなしいかな、いつの時代もそういうものなのかと

たまたま読んだものをなかば強引に結びつけてしまったが、
否定をエネルギーにしてもう少し先へ行ければ・・・
posted by 五人坊主 at 20:49| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2023年02月01日